自主映画の撮影に行ってきた。

僕が一年生のとき友達を誘って新歓に行って
そこで僕を見出してくれた監督の最新作に出ます。
助手Bという脇役なんですが、
僕は当然演じることなんてしてないわけで
監督の指示するもっとこう楽しげにやってくれって言われたって
僕、普段から物静かな人柄ですので
楽しげになんてできません。
でも監督は僕のことを気に入ってるみたいなので
時々脇役として呼ばれたりします。
で、二年ほど前に撮った映画がありまして
それは僕が主演なんですけど
辮髪のセーター服を着た青年がぶたやアヒルのぬいぐるみ相手に
話しかけたり、一緒に遊んだりっていう
なんつーかほんとよくやったよな、あんなことって思う内容です。
真昼間の後楽園駅前公園でブタの作り物を持ってくるくる回ったり
ヒル抱えてスキップしたり
かなり視線が痛かった。

で現場に来てた後輩らしき女の子と休憩時間話してたら
その僕の主演した映画が好評らしく困惑。
彼女達は僕のことを映画の中でしかしらないから
あひるやぶたと会話できるメルヒェンなおのこだと思ってたみたいで
楽しげにやれという監督の指示に恥ずかしがる姿を見て
ちょっと新鮮だったらしいです。


僕が休日をつぶしてまで撮影に参加したのは
合コンのつもりで女の子と一緒に作業できると思ってたからです。
そしたら14時間くらい拘束されてたかな。
出演者は待ち時間が多いし、脇役だから出るシーンなんてあまりないし
現場は照明ですごい熱いし、かといって外に出たら寒いし
どうしていいんだかわかんねぇよ。
でだらだらと他の出演者と話したりして時間をつぶしました。
僕は助手Bだったんだけど助手AのY君がなかなかおもしろいキャラで
ちょっとこれには勝てないなぁと思って身を引きました。
かれはミュージシャンでCDも全国に流通してるらしいんですけど
それにボーナス特典として僕主演の映画が入ってるんですよね。
その映画に音をつけたのが彼だったので。
いやー、全国流通ですよ。
僕、役者でもなんでもないのに。


撮影も後半戦、だれてきた僕はここに来た目的を
途端に思い出し、とにかく女の子の隣りに行かなくちゃと
積極的にアピール。
なんて褒められるのが一番嬉しい?とか
下の名前教えてよ、とか
今夜うちこない?とか
できる限りのことをたくさんしてきました。
嫌がる彼女を見て僕ってすごくセクハラが好きなんだなぁと思いました。
でもそんな彼女ともなんかメールしたりしてるし
結果オーライってことで。