中学生日記『ボクの生えいずる悩み』

中一の愼平の悩みはまだ毛が生えていないということ。
同志三人と東桜中発毛クラブを結成し日夜
わかめを食べたり発毛体操をしたりして努力を欠かさない。


子供のころっていうと何かと背伸びをしたがるものですが
結局は毛が生えたからといってそれで
即大人になれるわけじゃないってことに気づくわけですよ。
僕も生えるの遅くて中三だったと思う。
修学旅行のとき生えていないのを心配したかったが
ホテルだったので一人でユニットバスにはいる
だけで誰にも見られることがなかったので
つまらないといえばつまらなかった。
下半身の悩みというかコンプレックスみたいなものって
結構持ってるもので
僕だってもう少しおちんちんが大きかったら
こんなにも卑屈にならずにすんだのかもしれないとか思う。
なんで巨根に憧れるのかちょっと考えてみたんだけど
僕の場合は性欲の象徴だと思ってる節がある。
頭蓋骨の内側をガリガリと削るような
身を悶えさせる性欲にはそれなりのものが
相応しいんじゃないかと。
そんなのは錯覚というか間違いではあるんだけど
そういうことがわかるときこそ大人になるんだと思う。
そうやってなにかわかってるような振りをしてるうちは
まだまだ子供だよ、と自分を慰めてみる。
僕はまだ子供だよ。