『GO』金城一紀

GO (講談社文庫)

GO (講談社文庫)

通勤用に買った文庫ですが
通勤する必要がなくなってしまったので消化。
レヴォリューションNO.3を読んだので
ちょっと代表作も読んでみますかといった具合。
在日の高校生が恋に喧嘩に大騒ぎな一本。
日本人でもあり外国人でもあり
そのどちらでもないという微妙な位置にある視座が特徴だと思う。
でもいかんせん面白くない。
作中で主人公が金正日の幼少期の活躍を見て
自分達のほうがすごいって言うシーンがあるけど
同じ感情を僕も抱いた。
お前より、僕のがすげぇ。
差別とか恋愛とかそんな原動力があるわけでもなく
ただひたすらに何かを作り続けなくちゃならない
僕のがすげぇ。
物語として当然そろっている環境が僕には鼻持ちならないやつに映る。
でも、僕の人生には劇的な出会いもないし
激情を発するほど悔しい思いをしたことはないし
越えるべき壁として現れるはずの親父はすでに腰痛で死にそうだ。
わざわざ越えるほどのものでもない。
何もない状況で火をおこすような作業を僕はし続けなければならない。