Happy christmas

僕はクリスマスに生まれた。
だから誕生日のプレゼントも
クリスマスのプレゼントも
お年玉もみんな一括だった。
サンタを信じたりということもなかった。
プレゼントがもらえるのは
誕生日だからであって
どこの馬の骨かもわからない
白髭のおじいさんが持ってくるものなんかじゃなかった。
両親もまったく信じさせようなんて気が
なかったにもかかわらず
僕が寝ている間に枕元に置いたりする
小細工は僕が中学生になっても続けていた。


あまりいい思い出なんかないけど
僕は自分の誕生日を気に入ってる。
覚えやすいし、なんかハッピーだ。
十一月に入ると同時に町のスーパーでは
クリスマスにむけた準備が始まる。
それを見てもうすぐ自分の誕生日が
くるんだなって思う。
二ヶ月近くも前から誕生日を意識するなんて
なかなかないと思う。
十二月も半ばになると
クリスマスソングがそこかしこで聴こえてきて
やっぱりなんだかハッピーになる。
別にクリスマスだからどうってことないんだけど
みんなが幸せそうにしてるのがいい。
そのどさくさに僕の誕生日も祝ってもらえるみたいで
ちょっと幸せな気分になる。
幸せそうな外見とは裏腹に
不幸せな人々もたくさんいるんだろうけど
それを覆い隠してしまうような
暴力的なクリスマスが好きだ。